【朝凪彩月】一枚の名刺から
先日、ある方に名刺をいただいた時のことです。
その男性のお名前が、少し読み慣れなかったので、「下のお名前はなんとお読みするんですか?」
と何気なくお聞きしました。
この何気ない一言がきっかけで、会話に花が咲いたのです。
その方のお名前はお父様がつけたそうですが、
驚くことに、その名前はお父様が中学生の時になんと、自分に息子ができたら絶対にこの名前にしようと、心に決めていた名前だったそうです。
自分の息子の名前を中学生の時に決めて、それを大人になるまでしっかり記憶し、現実にご自分の息子さんにその名前をつけたなんて、ただただ驚きです。
多感な中学生の頃にそこまで思いつくなんて、その方のお父様はどんなお子さんだったのか、とても興味が湧いてきました。
そして、それを誇らしげに語るその男性を見て、きっと、ご両親にとても愛されて育ってこられたんだろうなぁ、と改めて感動しました。
その方の話によると、そのお父様は普段、家では無口で、多くを語らない方らしいのですが、
初めて生まれたお子さんが女の子だったのを知り、ショックのあまり、しばらく家に帰らなかったそうなんです。
一つのことに懸ける一途な想いの強さに、人の思いはそれぞれ奥深いものなんだ、と深く感心してしまいました。
案の定、奥さんと娘さんにはずっとその事を言われ続け、今では笑い話になっているとおっしゃっていました。(笑)
でもそれくらい、ご自分が決めた名前をつけたい!という熱い想いがあったんでしょうね。
生きていく中で、誰でもこうしよう、ああしようと思っていても、なかなか現実にできないことが多いものですが、
中学生の時に、まるで神様からの啓示を受けたかのように、それを守り通し、実現させたのです。
ふと、自分はそんなにも情熱を燃やして、何かを成し遂げようと思ったことはあっただろうか?と考えずにはいられませんでした。
何気なく尋ねた名前の読み方から、色々深く考えさせられた出来事となりました。

