創始者挨拶
中央線カルチャーへの始発駅として、
このたび中野駅南口に、
ほしよみ堂が誕生しました。
南口を出て丸井を越え、
有名ラーメン屋の前を通ると、
ケバブの香りが鼻をくすぐります。
そのケバブ屋の2階が、
ほしよみ堂 中野店です。
3階には不動産屋
――まるで先にできた兄貴ぶん新宿店の
縮図のような立地。
ここから新しい物語が始まります。
正直に言えば、
ぼくは中野に数えるほどしか来たことがありません。
でも、その隣町の高円寺には
100回以上通いました。
古着屋のショーウィンドウとライブハウスの爆音。
深夜のジャズ喫茶の煙草の煙。
夜明け前の路地でかわした会話。
あのころのぼくは未来を信じることと
裏切ることの区別もつかず、
ただ語り続けていました。
高円寺は、ぼくの青春の実験室でした。
痛みも笑いも、政治も詩も、
恋も酒も、ぜんぶ同じテーブルに乗せて、
ひっくり返しては遊んでいた。
あのころのぼくが、
いまのぼくを見たら、きっと言うでしょう。
「おまえ、まだやってるのか」と。
そう、まだやっているんです。
ぼくは、あのころと同じように未来に賭け続けています。
中野は宿場町の埃をまとい、
戦後の闇市のざわめきを記憶し、
サンプラザに青春の叫びを残し、
ブロードウェイにサブカルの墓標を立てた街です。
ここでは、すべてが混ざり合う。
理性と狂気。聖と俗。
夢と現実。希望と絶望。
すべてが同じ歩道を歩いている。
中野は都市の廃墟です。
しかし、その廃墟は次の物語を孕んでいる。
だから、ほしよみ堂はここに旗を立てました。
占いは、未来を「当てる」ための道具ではない。
未来を「創る」ための反逆の装置です。
あなたが生きているこの日常を、
もう一度ひっくり返すための火種です。
ケバブ屋のスパイスの匂いに誘われて
階段をのぼってください。
そこには、もう一つの現実があります。
そこには、もう一人のあなたが待っています。
高円寺で道に迷っていた若い日のぼくが、
もし今ここに来たなら、
きっとドアを叩くでしょう。
「生き方を占ってくれ」と。
「この退屈を破壊してくれ」と。
そう、占いとは退屈に対する爆弾なのです。
絶望を笑い飛ばすための道化なのです。
日常を燃やし尽くすためのマッチなのです。
ここは、ただの占い館ではありません。
ここは、あなたの人生を
少しだけ狂わせるための場所です。
そして、狂った先に見える
新しい世界を一緒に見に行くための場所です。
丸井の明かりを背に、
ケバブ屋の煙を抜けて、
あなたがそのドアを開けるとき……
中野という街は、
あなたの物語をもう一度書き直し始めるでしょう。
中野は、ただの街ではありません。
この街には、言葉にならない記憶が沈んでいます。
駅前の人波のなかに、
戦後の闇市の影が混ざり、
ブロードウェイの奥の薄暗い通路には、
昭和のサブカルチャーの亡霊がまだ歩いている。
そんな街に、ぼくらは占い館を作りました。
それは偶然ではなく、必然でした。
中央線カルチャーの列車に飛び乗るようにして、
ほしよみ堂はこの場所に降り立ったのです。
中央線は、詩人や思想家、
アウトサイダーが夢を語り、
反骨を叫び、時代を突き動かしてきた路線です。
阿佐ヶ谷の文士村、
荻窪のジャズ喫茶、
高円寺のライブハウス、
吉祥寺の映画館。
その線路の上で育まれたカルチャーの延長線上に、
いま、この中野店があります。
だからこそ、ここで出会う占いは、
ただ優しい言葉をかけるだけでは終わりません。
ときに痛みをともない、ときに挑発します。
あなたが気づかないふりをしてきた真実をそっと、
しかし確実に突きつけるでしょう。
そのとき、あなたの物語は動きはじめます。
それまで信じていた現実が、
音を立てて崩れていくかもしれません。
けれど、その廃墟の中から
新しいあなたが立ち上がるのです。
星読み師★TAKA
ほしよみ堂 創始者
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