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【正願寺リヨン】戻りたかったのは、あの頃じゃなかった。

「昔は、もっと楽しかったんです。」

彼女はそう言って、

少し寂しそうに笑いました。

 

「いつ頃ですか?」

そう聞くと、

彼女は少し考えてから答えました。

 

「結婚する前かな。」

仕事が終われば、

友達とご飯を食べに行った。

 

休みの日には、

好きな服を着て出かけた。

 

行きたい場所があれば、

ふらっと旅行にも行った。

 

欲しいものを買って、

好きな音楽を聴いて、

夜遅くまで笑っていた。

 

特別な毎日ではなかった。

 

でも、

今振り返ると、

あの頃の自分は自由だったように思える。

「今が不幸なんですか?」

 

私が聞くと、

彼女はすぐに首を振りました。

 

「違うんです。」

 

家族がいる。

子どももかわいい。

生活だって、

大きな不満があるわけではない。

 

むしろ、

昔の自分が欲しかったものを、

今の自分はたくさん持っている。

それなのに。

 

「時々、全部置いて、あの頃に戻りたくなるんです。」

 

彼女はそう言いました。

 

そして、

少し申し訳なさそうに笑いました。

 

「こんなこと言ったら、

わがままですよね。」

 

私は、

彼女の四柱推命の命式を見ながら、

今までの人生について聞いていきました。

 

結婚してからのこと。

仕事のこと。

家族のこと。

毎日の過ごし方。

 

彼女は、

とてもよく頑張ってきた人でした。

 

家族の予定を考える。

子どものことを考える。

仕事のことを考える。

家のことを考える。

 

いつも、

誰かの予定が先にある。

 

「休みの日は何をしていますか?」

そう聞くと、

彼女は答えました。

 

「買い物とか、子どもの用事とか。」

 

「自分のために何かすることは?」

 

その瞬間、

彼女は黙りました。

 

しばらく考えて、

言いました。

 

「……最近、ないですね。」

私はもう一つ聞きました。

「昔の自分の、何が一番好きでしたか?」

 

彼女は少し驚いた顔をしました。

そんなことを聞かれるとは、

思っていなかったのかもしれません。

 

しばらく考えてから、

ゆっくり話し始めました。

「やりたいと思ったら、やっていたことかな。」

 

行きたい場所へ行く。

会いたい人に会う。

着たい服を着る。

やってみたいことに挑戦する。

失敗しても、

「まあ、いっか。」

と笑っていた。

 

「私、昔はもっと自分のことを信じていた気がします。」

彼女はそう言いました。

 

そして、

少し黙りました。

「あ……。」

 

何かに気づいたように、

小さく声を出しました。

 

「私、昔に戻りたいんじゃないのかもしれません。」

私は黙って、

続きを待ちました。

 

彼女は少しだけ目を潤ませながら、

言いました。

 

「昔みたいに、

自分のことを好きになりたいんです。」

 

その言葉を聞いた時、

彼女がずっと探していたものが、

少し見えた気がしました。

 

彼女が戻りたかったのは、

若かった頃ではありませんでした。

自由だった生活でもありません。

独身だった頃でもありません。

 

自分の気持ちを大切にしていた頃の、

自分だったのです。

 

私たちは、

人生が進むにつれて、

いろいろな役割を持ちます。

 

妻。

母。

会社員。

娘。

誰かの上司。

誰かの部下。

誰かを支える人。

 

その役割を一生懸命生きているうちに、

ふと、

「私」がどこかへ行ってしまうことがあります。

 

今日の夕飯は何にしよう。

明日の予定は何だっけ。

あれをやらなきゃ。

これも忘れちゃいけない。

毎日は、

ちゃんと回っている。

 

でも、

「私は今日、何をしたい?」

その質問だけが、

いつの間にかなくなっている。

 

だから、

過去が眩しく見えるのかもしれません。

 

あの頃は楽しかった。

あの頃は自由だった。

あの頃に戻りたい。

でも本当は、

時間を戻したいわけではない。

 

あの頃の自分が持っていた、

何かを取り戻したいのです。

 

私は彼女に、

四柱推命から見える本来の性質や、

これからの人生の流れについてお話ししました。

 

そして、

タロットを通して、

今の彼女が心の奥で

求めているものも見ていきました。

 

でも、

一番伝えたかったのは、

「昔のあなたに戻りましょう。」

ということではありません。

 

昔に戻る必要なんてないのです。

 

今の彼女には、

昔の彼女にはなかったものが、

たくさんあります。

 

経験。

強さ。

守りたい人。

乗り越えてきた時間。

 

だから、

昔の自分に戻るのではなく、

今の自分の中に、

あの頃の自分を迎えに行けばいい。

私はそう思います。

 

また好きな服を着てもいい。

一人で出かけてもいい。

やってみたいことを始めてもいい。

 

誰かのためではなく、

自分のために時間を使ってもいい。

 

人生を全部変えなくても、

「私」を取り戻すことはできます。

 

鑑定が終わる頃、

彼女は言いました。

 

「私、今の生活を

捨てたいわけじゃなかったんですね。」

そして、

少し笑いました。

 

「今の生活の中に、

私も入れてあげたかったんだと思います。」

 

その言葉が、

とても印象に残りました。

 

家族を大切にする人生の中に、

自分も入れていい。

 

誰かを幸せにしたいと思う人生の中に、

自分の幸せも入れていい。

誰かのために生きながら、

自分のためにも生きていい。

 

それは、

わがままではありません。

 

鑑定というと、

「これから何が起こりますか?」

「いつ運気が良くなりますか?」

そんな未来を見るものだと思われることがあります。

 

もちろん、

四柱推命でこれからの運気を見ることもできます。

タロットで、

今の自分に必要なメッセージを見ることもできます。

 

でも私は、

占いにはもう一つの使い方があると思っています。

 

置いてきてしまった自分を、見つけに行くこと。

 

昔は何が好きだったのか。

何をしている時に笑っていたのか。

何を大切にしたかったのか。

 

そして、

これからどんな自分で生きたいのか。

一人では見えなくなってしまった「自分」を、

一緒に探していくこともできます。

 

もし今、

「あの頃に戻りたい。」

と思うことがあるなら、

過去に戻りたい自分を責めなくて大丈夫です。

 

少しだけ、

自分に聞いてみてください。

 

私は、あの頃の何を取り戻したいんだろう。

 

自由でしょうか。

夢でしょうか。

自信でしょうか。

笑顔でしょうか。

 

それとも、

自分を好きだった気持ちでしょうか。

時間を戻すことはできません。

 

でも、

あの頃の自分が持っていたものを、

今の人生にもう一度取り戻すことはできます。

 

過去に戻らなくてもいい。

今のあなたのまま、

もう一度、

あなた自身の人生を始めることはできます。

 

もし一人では、

置いてきてしまった「自分」が見つからない時は、

四柱推命やタロットを通して、

本来のあなたらしさや、

これから大切にしたい生き方を、

一緒に探していくこともできます。

 

占いは、

未来を知るだけのものではありません。

忘れていた自分を、

迎えに行くために使うこともできる。

あなたが戻りたいのは、

本当に「あの頃」でしょうか。

 

もしかすると、

ずっと待っているのは、

あの頃に置いてきた

「あなた」なのかもしれません。

 

必要な時は、

正願寺リヨンまで

お話を聞かせてくださいね☆

 

中野の迷子回収人

正願寺リヨン☆

 

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