【唯真 伊由】彼が好きなのか、失うのが怖いのか
「実は……」
しばらく沈黙が続いた。
まるで違う話が始まりそうな空気。
目の前にはタロットカードが並んでいる。
恋愛・婚活専門占い師の唯真伊由です。
ブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
相手の気持ち。
二人の関係。
これから先の流れ。
カードから見えてきたことをお伝えしながら、
私はどこかで感じていた。
今日の本当のテーマは、
まだ別のところにあるのかもしれない、と。
彼女はカードを見つめている。
何かを考えているようにも見える。
「彼、変わらないですよね。」
確認するような口調だった。
私はもう一度カードを見る。
何度見ても同じ。
彼は今の自分を変えようとしていない。
変わりたくないというより、
変える必要を感じていない。
そんなふうに見える。
そしてもう一つ。
彼女が傷ついていることに気づいていない。
そんなカードでもあった。
「嫌だって伝えたことはある?」
そう聞くと、
彼女は少し笑った。
「ないです。」
その答えを聞いて、
私は心の中で静かにうなずきました。
彼は知らない。
彼女が傷ついていることも。
我慢していることも。
気づいていないものは変えられない。
もちろん、だから彼が正しいという話ではない。
でも伝わっていないものは、
相手の中では存在していないのと同じだったりする。
しばらく二人でカードを見ていました。
その時、彼女がぽつりと、
「実は……」
「私、本当は別れた方がいいと思っているんです。」
と話してくれました。
私は少し驚きました。
彼の気持ちを知りたいご相談だったから。
続けて彼女はこう話してくれました。
「彼と結婚する未来もあまり見えないんです。」
そこまで分かっている。
答えは出ているようにも見える。
それなのに何故かしっくりこない。
なぜだろう。
そう思った次の瞬間、
彼女が小さな声で言いました。
「でも……」
そして少し下を向いた。
「次の人が見つかるまで、一人でいられる自信がないんです。」
私はその言葉を聞いて、
ああ、本当の悩みはそこだったんだ。
彼と続けるか、別れるか。
そんな話ではなかった。
彼がいなくなった後の時間。
誰もいない休日。
連絡を待たなくなる夜。
次に出会える保証のない未来。
彼女が怖かったのは、
別れそのものではなく
その先にある寂しさでした。
タロットカードを見ていると、
時々こんなことがあります。
相談したかったことと、
本当に悩んでいたことが違う。
彼の気持ちを知りたくて引いたカードが、
自分でも気づいていなかった本音を映し出す。
あの日カードが映していたのも、
彼の気持ちだけではなかった。
一人になることを恐れている、
不安を抱えたひとりの女性の心でした。
人は答えが分からないから悩むわけじゃない。
答えが見えているのに、
選べない時に苦しくなることがある。
もし今
同じように動けなくなっていることがあるなら
あなたが本当に怖がっているものは何でしょうか。
案外、
最初に口にした悩みとは違うところにあることも多いのです。
答えを探すのではなく、本当の気持ちに気づく時間になるかもしれません。
そんなひとときを、ご一緒できたら嬉しく思います。

